はなとゆめ

冲方丁さんの「はなとゆめ」。

天地明察」「光圀伝」に続き、冲方丁さんの時代小説「はなとゆめ」です。

前2作は江戸時代のお話でしたが、今作は平安時代、主人公はあの「枕草子」で知られる「清少納言」です。

清少納言が内裏に入り、帝の妃である中宮定子に仕え「枕草子」を完成させるまでが清少納言の語り口で描かれています。

一夫多妻が普通であった時代において、「ただ一人の人との絶対的な愛を求める」 という清少納言にとっての「一乗の法」と、「一族の使命を背負い、帝に一番に愛されなければならない」というあるじは主従関係を超えやがて同志にも似た強い信頼関係となり、清少納言はあるじの番人になると決意します。

すべてが清少納言の回想による語りですので、権力争いなどの話も柔らかな口調で淡々した感じになってます。

また、詠まれている歌についてもその時々の歌の意味の説明がされており読みやすかったです。

枕草子」ちゃんと読んだことないので読んでみたくなりました。

電子ビジュアル版を購入したのですが、連載時のカラー挿絵が挿入されていて、柔らかな語り口と挿絵がとてもよく合っていてよかったです。

単行本

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