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わくらば日記

昭和三十年代初頭、まだ日本が貧しかった時代のお話。
東京の下町に住む和歌子と27歳という若さで亡くなった不思議な力を持つ姉の鈴音の思い出話を大人になったワッコちゃんが語る形で物語は進んでいきます。

この鈴音の不思議な能力というのは、人や物を目を凝らして見ればビデオの映像を見るように過去にその人や物の周りで起こった出来事が見れるという不思議な力なんです。

交番に拾った100円札を届けた和歌子は秦野というお巡りさんに恋心を抱き用もないのに交番の前を行き来して仲良くなります。
そんなある日、和歌子の学校の友人の弟が当て逃げにあったのです。
和歌子は鈴音の不思議な力で車のナンバーを見てもらい秦野に教えるのですが、姉の不思議な力についても秦野に言ってしまいます。
犯人は捕まったのですが、犯人には重病の弟がおり治療費が貯まったら自首するつもりだったと知り後悔します。

それからしばらくして秦野が神楽という刑事に鈴音の力を話してしまい、神楽は鈴音に一家殺害事件の”現場”を見てもらいたいと頼みに来ます。
プロレスの試合さえも見れないような鈴音ですが、ある条件と引き換えに神楽の頼みを引き受けます。
そして現場で見たものとは?

というのが第一話「追憶の虹」というお話です。

「夏空への梯子」
「いつか夕陽の中で」
「流星のまたたき」
「春の悪魔」
という全五話になっています。

人との別れ、そして優しさ、残酷さ。
そしてなんか切ないけど暖かい気持ちにさせてくれる一冊でした。

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