わくらば追慕抄
以前、書いた「わくらば日記」の続編になります。
中学三年生の和歌子と人や物に目を凝らせば、過去にその人や物の周りで起こった出来事が見られるという不思議な力を持つ姉・鈴音のお話。
時は昭和三十五年、安保闘争が頂点を迎えていた頃、高校受験を控えた和歌子と少したくましくなった鈴音は、鈴音と同じ不思議な力を持つ吹雪という女性と出会います。
吹雪は「すべてを見て、すべてを暴いてもいい権利」があると言い、赤ちゃんの頃の鈴音を抱っこしたことがあると言います。
そして、鈴音に絶対許さない、大嫌いだと言う彼女、鈴音と吹雪の間に一体何が?
そして鈴音と吹雪の関係とは一体?
といったところなのですが、今作品の中では語られることはありませんでした。
また、次作へと続くようです。
この”薔薇姫”こと吹雪との出会いを描いた「澱みに光るもの」。
「黄昏の少年」
「冬は冬の花」
「夕凪に祈った日」
「昔、ずっと昔」
の五話が収録されています。
今作も暖かい気持ちになれる一冊でした。
続きが気になります。
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